鶏の飼育、鶏肉の確保と自給について

自給する方法を考察_鶏肉 未分類

鶏の飼育と自給、鶏肉の確保についての記事になります。

肉類全体と、必要な栄養素は下記の概要からどうぞ。

鶏を育てて肉を自給する

鶏は非常に優秀な動物だと思います。
飼育の過程で得られる卵は、タンパク質を多く含み、これだけでもかなりのメリットです。
また、鶏自体を食べる事ができるので、歳をとり卵を生みにくくなった鶏から比較的簡単に食肉にする事ができます。
生かしている間は、冷蔵庫(あるいは冷凍庫)も圧迫しないので、ある程度の猶予を見て食肉にすることが出来ます。

卵から得られるタンパク質と、数量について

まずは、鶏を飼育する過程で得られる卵から見ていきます。
鶏(雌鳥)を飼育すれば、無精卵の卵が得られます。
我々が普段口にしている卵のほとんどは無精卵で、卵は多くのタンパク質を含んでいる為、是非摂取したいところです。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、タンパク質は、1.0g/体重(㎏)/日以上なので、ここでは体重60kgと仮定し、1日60g摂取をベースで考えていきます。

卵(Mサイズ)の重量は約50-60g程度と仮定し、そこから得られるタンパク質は約6g程度です。

65g/日を得る場合、1日10個で66gになります。
1食あたり3-4個食べる計算になります。
・・・なかなかの量です。

毎日10個の卵を必要とする場合、必然的に鶏の数も相当量になり、管理コスト(エサ代や規模感、飼育に関する労働など)が多くかかりそうです。
実際に、どのくらい鶏を飼育すれば良いのでしょうか。

卵のみを取得する場合の鶏の数量

1日あたりの卵のみの必要数は、10個でした。
では、10個の卵を得るために鶏は何羽必要でしょうか。

1羽の若い鶏が卵を産む量として、約24-25時間程度必要とされており、平均して年間で300個程度産むようです。
しかし、これは養鶏技術がありしっかりと管理を行なった場合と思われるので、年間数量を半分の150個として12ヶ月で割ると、月間で12.5個を取得出来ると仮定しておきます。

月間で12.5個の場合、2.4日に1個の卵が入手できる計算です。
つまり、1羽あたり3日/個であり、3羽/日が成り立ちます。

3羽の鶏が交互に1個づつ卵を生むと、1個/日なので、
卵の1日の必要数10個を得る場合、10倍の30羽が必要になります。
30羽居れば、毎日10個の卵を得る事が出来るということですね。

・・・・庭に(あるいは敷地のどこかに)鶏が30羽いることになりますが、やはり飼育に相当量のコストがかかりそうです。
(あと、あまり現実味が無さそうです)

これは一人当たりの計算なので、夫婦、家族と人数が増えるにつれて必要数も多くなります。

卵のみは一旦置いておいて、鶏も見ていきましょう。

鶏から得られるタンパク質と、数量について

次に、鶏自体をみていきます。

鶏を飼育することによって、卵を産まなくなった(あるいは年齢を重ねて産みにくくなった)鶏を、鶏肉に変える事が出来ます。
鶏肉は心臓(ハツ)など、一部の内臓も食べる事ができ、焼き鳥や炒め物、煮物などと調理の幅もあり、食べ飽きにくそうです。
栄養素的にも、低カロリー高タンパクとして知られ、筋力トレーニングしている方にも人気です。

1羽の鶏から得られる肉量は、精肉で53%、可食の内臓は4%程度のようなので、1羽=重量2.5kgと仮定し、精肉、手羽先、手羽元、ささみ、などの合計1.32kg、内臓が0.1kg(100g)程度となります。

では、約100gあたりの鶏肉には、タンパク質はどの程度含まれているのでしょうか。

鶏肉は、部位によってタンパク質が異なり、結構差があるようですが、
100gあたり、(むね肉、ささみ)で、25g程度、もも肉で平均して17.5g程度のタンパク質が含まれているようです。
自給した鶏肉を部位毎に計算する意味はないので、平均して100gあたり20gの含有量として計算します。

これをタンパク質必要摂取量60g/日に当てはめると、100g/鶏肉=20g/タンパク質となり、300g/鶏肉=60g/タンパク質/日という計算になり、1食あたり100gの鶏肉を食べるとタンパク質は十分に補給できることになります。

そして、1羽から取れる精肉(鶏肉)量は、1320gなので、300g/日で割ると、4.4、つまり4日間分ということになります。

・・・卵よりは少しだけ現実味があります。

鶏肉のみを取得する場合の鶏の数量

では、先ほどと同じように鶏から得られる鶏肉の量に対する鶏の数を計算していきます。

1羽あたり1.32kg=4日分(タンパク質量)でしたので、単純に1ヶ月で割ると、7.5羽必要になります。

毎月7.5羽の鶏を鶏肉に変え、新たに7.5羽購入するとなるとこちらもなかなかのハードルに思えてきます。

雄鶏と雌鳥を飼育すれば、有精卵ができ、ひよこを羽化させれば可能性はありますが、かなりの時間と労力がかかりそうです。
(今回は肉量のベースなので飼育にかかる費用や時間などは省きます)

次は、これらを合算して現実ベースで捉えていきます。

鶏を飼育ベースで考える具体的な肉(タンパク質)の数量

鶏の飼育から得られるタンパク質を卵、鶏肉と分け、1日あたりの計算を上記に行いました。

これを元に、両方を取り入れた場合を計算していきます。

仮に卵と鶏肉のタンパク質の摂取量を半分ずつを補う場合、
卵=5/日、鶏肉=150g/日になります。

※卵5個から、6g5個=30g/タンパク質、 鶏肉150gから、20g1.5=30g/タンパク質(100g=20gタンパク質の為)

そして、卵を産んでもらう為の鶏として30羽の半分、15羽を飼育しながら、鶏肉を得る為に毎月4羽のローテーション(鶏肉化と新規入れ替え)をしていきます。
つまり、合計19羽の鶏を飼育すれば、なんとか鶏のみで毎日タンパク質を摂取できる計算でしょうか。

現実ベースでタンパク質の摂取量と数量を確認

上記までで必要数を概ね計算しましたが、19羽の鶏を飼育、管理することは大変です。
今度は、鶏の数量をベースに考えていきます。
(概算がどんどん甘くなります)

まず、鶏を飼育ベースで考えた時に、どのくらいなら飼育できそうでしょうか。
これは環境にもよりますが、10羽程度であれば、何とか小さい鶏小屋に収まるような気がしてきます。

実際、鶏1羽に対して0.4平方mの面積が必要そうなので、20cm20cmのスペースとなります。 10羽なので単純に10倍すると、200cm200cm=2m2mとなります。 2m2mは約2畳-3畳です。3畳程度であれば、少し現実味が出てきました。

あくまで最低限の必要飼育面積ですが、外に3畳の飼育スペースがあれば、1日に必要なタンパク質の摂取量(一人あたり)の約半分を摂取できます。

では、10羽からはどれだけの卵が得られるかというと、先程の前提より約3-4個/日になります。
3個ですと、やはり理想30羽から現実10羽になった分、タンパク質量も1/3になります。

鶏肉はどうでしょうか。

仮に、鶏10羽のうち1羽を鶏肉に変えたとして、鶏肉は1.32kg/羽=4.4日ですが、その半分の1.32kg/羽=8.8日に設定し、1週間程度鶏肉を得ると、1日150g(鶏肉)になり、150gあたりのタンパク質量は30gです。
一週間に1度程度鶏を捌き、入れ替えを行う計算ですね。

卵と鶏肉を併せると、
卵3個+鶏肉150/日=18g+30g=48gとなるので、48/60g=日ですね。

あとは他の食材からもタンパク質を補う事ができるので、それで補うと考えると、一人あたりの鶏の必要数はなんとか10羽で事足りそうです。
新規で鶏の入れ替えなどは必要ですが、ギリギリ現実味がある計算でしょうか。

結論

鶏は10羽/一人当たり
卵が3個、鶏肉が150g=48gのタンパク質量

タンパク質と肉類の確保については、また検証していきたいと思います。

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