生活でかかせないタンパク質ですが、自給するとなるとそれなりに大変そうです。
タンパク質は主に肉類、魚類、卵製品、大豆製品、乳製品などがありますが、どれも簡単には得られなさそうです。
コンパクトな生活を目指す為には、タンパク質を取得する為に必要な道具類、設置面積など出来るだけ小さく、そしてイニシャルコスト、ランニングコストがかからないように考えなければなりません。
今回は、まずタンパク質について考察し、どの程度摂取すれば生活において支障がないかと検討していきたいと思います。
また、どのような方法で取得するかも考えてみたいと思います。
タンパク質の主な働き
まずは、タンパク質の主な働きをみていきます。
タンパク質の主な働きは体を作ることで、筋肉をはじめ、臓器、血液、皮膚、髪、歯、爪など、体のあらゆる組織をつくる材料になる栄養素です。
体の機能を調整するホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質などの材料でもあり、免疫や代謝、血圧の調整、神経機能の維持などにも重要な役割を果たしているとのことです。
また、タンパク質に含まれる20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類を「必須アミノ酸」と呼び、これらは食事からとる必要があります。
(残りの11種類は体内で生成されるようです)
かなり重要な要素であり、不足すると様々な不調を抱えそうです。
かといって過剰摂取は生活習慣病のリスクも上がるようなので、適正量を取得したいと思います。
では、1日にどの程度タンパク質は必要なのでしょうか。
タンパク質の1日あたりの必要量
ある程度のエビデンスが欲しかったので、厚生労働省のデータを探しました。すると、5年間の間に必要量が変わっている事が分かりました。
まずは、以下の2つの文をみてみます。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」によれば、一日あたりのタンパク質平均必要量は成人男性で50g、成人女性で40gと定義されています。 可能であれば成人男性は60g、成人女性は50g摂ることが推奨されています。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日に必要なタンパク質の推奨量として、1日に18~64歳の男性で65g、65歳以上の男性で60g、成人女性では50gとなっています。
2015年の公表データでは、タンパク質の必要摂取量は40gでしたが、2020年の公表データで、65gに変更になっています。
5年の間に何か変わったのでしょうか。
このデータを具体的に検証したりする意味はあまり無く、こういったデータは時代と共に少しずつ変化するものであり、あくまで参考程度で問題ないかと思います。
今回は、2020年の公表データの数値を参考に、
体重 / 日 /=gという数値で考えます。
つまり、タンパク質の場合、自分の体重=1日あたりの必要摂取量となります。
(65歳以上は計算方式が変わります)
成人男性65kgの人の場合、1日あたり65g、
成人女性50kgの人の場合、1日あたり50gが目安となるようです。
人によって異なりますが、公表データの摂取量目安が参考値とした場合、
多くの人にとって、1日あたり約55-60g程度摂取していれば問題なさそうです。
では次に、タンパク質をどのように確保するか方法を考えたいと思います。
タンパク質の確保の方法
タンパク質が多い食材は、以下の5つでした。
- 肉類
- 魚類
- 卵類
- 大豆類
- 乳製品
とりあえずざっくりと、それぞれ方法を検討してみます。
肉の確保
肉は、主に牛、豚、鳥から得られると思います。
しかし、牛、豚は飼育にかなりのコスト(環境、金額、労力)がかかりそうなので、難しいでしょう。
鳥は、鶏飼育が出来そうです。
田舎では飼っている人もちらほら居ますし、ギリギリなんとかなるかもしれません。
卵が手に入りますし、鶏肉も取得できるので、かなり良さそうです。
他の肉類を確保する手段としては、狩猟があります。
狩猟では、野生鳥獣を捕獲して、それを解体して肉を得ることができそうです。
いわゆるジビエ肉です。
主に、鳥類、小型動物、大型動物に別れ、小さいものは雀から、大きいものは熊まで様々です。
鴨やイノシシやシカなどは、食用として食べられることも多いです。
一度は聞いた事があるかもしれません。
また、環境によっては、ヘビなどを食べることも出来るかもしれません。
狩猟で肉を得る行うハードルとしては、
- 狩猟免許の取得
- 狩猟する為の道具
- 狩猟の知識と経験
- 狩猟が出来る期間
あたりかと思います。
狩猟する動物によってハードルの差も大きいので、多少の現実味はあるかもしれません。
実際、私自身も狩猟免許は取得していますが、免許取得自体の試験ハードルはあまり高くありません。
一番の問題は経験でしょうか。このあたりは、多少時間をかけるしかないかもしれません。
肉類では、鶏飼育による卵と鶏肉の取得、そして狩猟による獲物の確保(肉の確保)が出来そうです。
(肉類ではありませんが、副産物として狩猟を行う際に山菜なども手に入る場合がありますね)
魚類を捕獲する
魚は海の魚(海水魚)と川の魚(淡水魚)に別れ、どちらでも捕獲できます。
趣味として魚釣りをやっている人も多く、現実味があります。
私も何度か釣りに行ったことがありますが、素人でも何匹が釣れました。
趣味でやっている人や、経験がある人、興味がある人には良い方法かもしれません。
環境次第(海や川が近くにある)では、かなり現実味がありそうです。
道具類も比較的コンパクトであり、釣りに出かけるので場所を所有する必要もありません。始めるハードルも基本的には道具だけなので低いと思います。
しかし、魚だけでタンパク質を確保しようと思うと難しそうです。
それなりに大きな魚を狙うとなると、船が必要であったり釣りポイントも
限られてくるかもしれません。
また、場所によっては海も川も漁業権があると思われます。
川はシーズンに釣りをする為のチケット購入があったり、海産物には漁協が関わっていたりします。(多少の海釣りくらいでは何も無いかもしれませんね)
あまり経験が無いので、直ぐに魚を沢山確保することは難しそうです。
よって、個人的には保留とします。
人によっては、かなりのタンパク質確保に繋がるかもしれません。
卵を確保してタンパク質を得る方法
鶏を飼育する中で手に入るのが卵です。
卵はタンパク質も、その他栄養素も豊富ですので、是非確保したいところです。
1個あたりは小さいのですが、毎日、あるいは2日に1個でも欲しいところです。
飼育数が増えれば、単純に卵が取れる個数も増えるメリットもあり、比較的規模感の調整も出来そうです。
卵と鶏肉から得られるタンパク質と肉量、必要な鶏の羽数に関しては別途記事に具体的に考察してみました。
大豆類を育ててタンパク質を得る方法
大豆類は、いわゆる大豆を原料とした植物、加工品のことで、段階や加工毎に名前が異なっています。
例えば、
- 大豆が熟す前の若取りをしたものが枝豆
- 大豆を発芽させたものが大豆もやし
- 枝豆が完熟したものが大豆
- 大豆を炒って粉にするときなこ
- 大豆を茹でて、ろ過したものが豆乳
など、かなり身近なものが大豆から出来ていたりします。
タンパク質も豊富で、どの段階でも美味しく食べられる優秀な食材です。
肉類と違って、畑で育てることが出来、うまく育てれば安定して収穫出来そうです。
また、プランターでも育てる事が可能なので、庭先やベランダなどでも比較的面積が狭い場所でも栽培が可能で、道具さえあれば始めるハードルは低そうです。
乳製品を確保する為の方法
乳製品の主な原料は、乳(ミルク)です。
乳製品は乳を経て加工され、チーズになり、バターになり、アイスにまでなります。
国内では主に牛の乳で乳製品が作られるようですが、例えば国外ではヤギ、ロバ、ラクダ、ウマ、羊、水牛、ヤクなど様々な種類があります。
タンパク質の量はどれくらいかというと、通常の牛乳で、100gあたり3.3g程度になるようです。
他との違いは、飲料にもなるという事でしょうか。
肉類、魚類、大豆類などは固形ですが、乳製品は、ミルクの場合は液体です。加工されれば個体にもなりますが、液体の状態で摂取できるメリットがあります。
肝心の取得方法ですが、飼育になります。
牛の飼育はコスト的に難しいですが、代表的なヤギ、羊などはどうでしょうか。
飼育している方も稀にいるようですが、比較的広いスペースや、飼育量、コストはそれなりにかかりそうです。
ヤギや羊などは、副産物として肉が取れそうですが、鶏などと違い、飼育に対する肉量のコストが合わなさそうです。
労力を費やす割に、どの程度のミルクが取れるか不明であり、さらに加工するには設備が必要な為、あまり現実味が無い気がします。
個人的には、ヤギや羊などは飼ってみたいですが、どの程度の費用などがかるか、一度調べてみたい気もします。
タンパク質を得る為の一番良い方法
色々検討しましたが、比較的ハードルが低く、また個人的に実践できそうなものは以下です。
- ジビエ肉を狩猟で取得する(小型動物)
- 鶏の飼育で卵と鶏肉を取得する
- 枝豆の栽培
この3つが、相対的に容易であり、小さい面積でも可能そうです。
2,3をメインに据えつつ、狩猟でジビエ肉を確保するか、魚釣りで魚肉を確保する方法が安定しそうです。
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